【失敗談】遺伝カウンセリング外来を最初に受けなかった私。
乳がんサバイバー てんとう虫です。
昨日の記事は、あまりにも集中して書いていたので気付いたら2時間経過。
腰と背骨が痛くなって、ちらっと転移という文字が。
今年の3月にも首と腰が痛くなったことがあり、ちょうど治験の検診があり先生に聞いてみたら、「ずっと治らないとかだったらアレだけど、まぁ大丈夫じゃない?」って。
地元の整形外科に行って、しばらく治療したら治ったので、良かった。
こういうのは、一生続くのだろう。
温存か全摘かハゲそうな位(ハゲてたケド)悩んだ原因として、しかるべきときに遺伝カウンセリング外来を受診しなかったことが一番の敗因といえる。そのことを反省を含めて触れていきたいと思う。
【参考】遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)についてはこちら↓
書籍では、2019年版が最新版です。
※画像はパズル Dna 研究 - Pixabayの無料写真からお借りしています。
■■■ 目 次 ■■■
がん家族歴
とってもプライベートなことで、匿名ブログだからこそ言えることだが、私の家系では、父方は曾祖父が胃がん(不確か)。叔母が子宮体がん、いとこ(子宮体がんの娘)が急性白血病になったが二人とも生きている。乳がん、卵巣がん患者はいない。
母方は長寿家系でがんで亡くなった人はいない。
(この記事を書いている現在のところ)
婦人科から紹介されたがん治療拠点病院(治療を行った病院)で、乳がんの診断がついたあと、家系図にがん歴と、り患した年齢を記載するように言われた。
☑トリプルネガティブ
☑若年性乳がん(40歳以下で診断)
→当時42歳で、若めである
☑娘がいる(母親が乳がんだとリスクが高い)
ということで、「家族歴がないからHBOCの可能性は低いのではないかと思うけど、臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受けますか?お嬢さんのこともあるし」と聞かれた。
その時は、家族歴がないし、いろいろいっぱいいっぱいで「いいです!」となぜか拒否。
今思うと、ちゃんと聞いておけば、
温存か全摘か。泣くほど迷った。迷える有難さと不安。 - 乳がんがくれた新しい道
この記事で触れたように、術式決定直前になってあれこれ悩むこともなかった。
病院からもらったチェックリスト
私が通っている病院の腫瘍診断・予防科が作成したリストには、以下の項目に1つ以上当てはまる方は遺伝性乳がんについて相談することが勧められている。
--------リストから転記--------
□若年性乳がん(40歳以下で診断された)
□卵巣がん既往がある
□トリプルネガティブ
□本人含め近親者2人以上が乳がん発症
□以下に当てはまる近親者がいる
・50歳以下で乳がん
・男性乳がん(年齢問わず)
・卵巣がん(卵管がん・腹膜がんを含む、年齢問わず)
・乳がんまたは膵がん(2人以上)
※血縁者とは、以下の通り。
第1度近親者(両親・きょうだい・子ども)
第2度近親者(祖父母、おじ、おば、甥、姪、孫)
第3度近親者(曾祖父、曾祖母、大おじ、大おば、いとこ、甥・姪の子ども)
長々と転記したが、「この1つでも当てはまるなら」ということだから、トリプルネガティブっていうことでもう当てはまってるわけである。
なんで最初に遺伝カウンセリング受けなかったんだ、私は!
遺伝カウンセリング外来を受けるか聞かれた医療関係者は乳がん看護認定看護師で、最初に有料(約1時間:1500円)相談時だったと記憶している。
「とりあえず、今はいいです」と言った私に、あえてつよく勧めなかったのは、「たぶん可能性が低い」のと「決断権は患者にある」からなのかもしれない。
でも、大した知識もない、告知されたばかりの患者の決断を優先しなくてもいいのに、と少し思う。
悩んでいる時に読んだ本には
遺伝性乳がんについてと、温存か全摘か悩んでいると夫に伝えたら、この本を買ってきてくれた。
この本によると、
BRCA1&BRCA2の、トリプルネガティブ乳がん割合
一般の乳がんではトリプルネガティブ乳がんの割合は15~20%
日本人の場合で
BRCA1遺伝子変異保因者では64%
BRCA2遺伝子変異保因者では11%
トリプルネガティブ乳がんのうち、BRCA1およびBRCA2遺伝子変異保因者がどれだけいるのか、割合は出ていない。
「64%」という大きな数字が、私の指を震えさせた。
この本を読んで、
・保因者であった場合将来反対側の乳房に乳がんを発症する可能性や、卵巣がんの発症リスクがあること。
・遺伝子検査は100%ではなく、現時点で解析できない変異があるか、検査した遺伝子以外の変異が存在する可能性があること。また、一般の人と同様のリスクがあること。
・遺伝子変異陽性であることが判明した場合、まだ乳がんを発症したわけではないにも関わらず約36%が悲しみ・嘆きを感じること。
と、遺伝子検査が私の悩みを全て解決してくれるわけではなく、あくまで可能性を狭めていく方法であることが分かった。
本のあちこちにある数字、「がん」「リスク」の文字で、私はますます不安になっていく。
臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受診して
遺伝のことは非常に個人的なことなのでここに写真は示さないが、実際に外来受診すると、提出した家族歴を入力し、BRCA1、BRCA2、BRCA1or BRCA2の確率を調べてくれる。(血液検査ではなくあくまで確率。家族歴に変化があった場合は確率は変わる)
それによると、私はどの確率も1%以下。
83歳までの発症リスクは乳がん、卵巣がんとも10%未満だった。
何度も言うが、現時点の家族歴から出した数字のため状況が変わったら数字はあがる。
娘のこと
娘にとっては既に母(私)が発症しているので、彼女のリスクは私のそれより高い。
彼女が遺伝子検査を希望する場合、まず発端者(私:その家系内で医学的関心を引く発端になった人)が遺伝子検査を受け、保因者であった場合受けられるそうだ。
彼女はまだ未成年で、私が知っている限り異性とお付き合いもしたことがない。
そんな彼女のことを考えると、胸が痛む。
もう少し待つが、遺伝性乳がんのリスクについて伝える責任が私と夫にはある。
おわりに
トリプルネガティブ乳がんと分かった時点で、家族歴がなくても遺伝カウンセリングがすすめられており、その後遺伝カウンセリングを受けてリスクが低いと考えられることが分かったわけで、最初にカウンセリングを受けていればあれほど悩まずに済んだ。
大失敗だったと言える。
ただ、温存か全摘かを決める前にその失敗に気付いて立ち止まり、不安を不安のままにせず、遺伝カウンセリングで納得してから術式を決断したことで、その失敗を取り返したと思う。
もし、この記事をご覧の方がまさに遺伝性乳がんのことで悩んでいるのであれば、本やネット情報だけでなく、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けることをオススメする。その結果を自分だけで受け止められるか不安があるなら、信頼できる人と一緒に。
【ご一読ください】
※記事内の情報は、URLを記載してある通り信頼できる情報源や書籍からのものですが、今後情報は変わる可能性があります。医師など医療従事者に必ず相談を。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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